ビルディング・ライフサイクル・インテリジェンス - 建設業界にとっての万能薬?
司会者:フレッド・ミルズ氏 (Fred Mills), B1M 創設者兼マネージング・ディレクター
講演者:Nemetschekグループ, Bluebeam, dRofus, Graphisoft, Solibri, Vectorworksの代表者。
日時:5月17日 (水) 12:30~
セッションの概要:
建設業界は現在、複数の課題に直面しています:建設プロジェクトの90%は予算と時間の超過に悩まされ、世界の二酸化炭素排出量の37%は、建設産業が原因であり、全設計作業の30%は、
計画の誤りが原因でやり直され、使用される建築資材の20%は、不要または廃棄物で、
占められています。それに加えて、この業界は著しい人材不足に直面しています。
これらの課題に取り組むために、我々にできることは何でしょうか?
デジタル化はしばしば建設業の万能薬として紹介されています。確かに、デジタル化には
大きな利点があります。しかし、まだハードルは一つあります:多くの場合、ワークフローは、
データそのものではなく、モデルに関するものです。特に大規模で複雑なプロジェクトでは、
これでは効率的とは言えません。 その代わりに、データそのものに焦点を当て、
すべての利害関係者がアクセスできるように、このデータを一元的に整理し、スムーズな
プロセスを保証するとしたらどうだろう? 建物のデータは、異なるソフトウェア・
アプリケーション間で、動的に利用できるデータスキームに従っています。
非グラフィカルデータは、バリューチェーン全体を動かすことができます。
これを、ネメチェック・グループ (Nemetschek Group)は、"ビルディング・ライフサイクル・
インテリジェンス™" (Building Lifecycle Intelligence™)と、呼んでいます。このアプローチには、モデルと、ドキュメントを動的につなぐ、すべてのデータを中心とした、オープンで接続された
エコシステムが必要です。 オープンなクラウド環境で作業することで、誰もがオープンな
プロトコルと標準を通じて接続し、通信することができ、全て関係者に真の価値をもたらします。
建物のライフサイクルに関わるすべてのプレーヤーが、この開放的で協力的、かつ、データに
基づいたアプローチから、利益を得ることができます。パネル・ディスカッションでは、
フレッド・ミルズが、なぜ業界がビルディング・ライフサイクル全体で、"インフォメーション"
ではなく、"インテリジェンス" について語るべきなのか、建築業界がより効率的で持続可能なものになることを妨げているものは何なのか、そして建築物のライフサイクル・インテリジェンスは、どこに意味があるのかについて調査します。
お客様の事例:クイーンズ・ワーフ, オーストラリア (Queen’s Wharf in Australia)
この素晴らし印象的な地区は、データ駆動型のアプローチを活用した、Nemetschekグループの、ソフトウェア・ソリューションを使用して開発されています。 クイーンズ・ワーフは、
セントラル・ビジネス・ディストリクトの12ヘクタール以上の土地を占め、50の新しいバー、
カフェ、レストラン、3棟の住宅タワーにまたがる2,000戸のアパートメント、1,000室以上の
高級ホテルが計画されています。膨大な量の設計データを計画・調整するために、プロジェクト・チームはデジタル・コラボレーションを駆使して取り組んでいます。設計には、Archicad、
データ管理には、dRofus、モデルチェックには、Solibri Office、
包括的なデジタル・ドキュメンテーションには、Bluebeam Revuを使用しています。
クイーンズ・ワーフの事例は、こちらからご覧ください。
At White Architects (ホワイト・アーキテクツ)では、
エンジニアとしてプロジェクト開発に積極的に携わり、
優秀な成績を収めました。エンジニアとしての役割に加え、ホワイトのリンチョーピングン支社で、デジタル描画ツールのメソドロジーマネージャーとしての責任を担い、中心的なメソドロジーの開発に貢献しました。 在職中、
アレクサンダーは、建設技術開発マネージャーも務め、
社内の能力開発を監督し、この分野における会社の研究において極めて重要な役割を果たしました。
ホワイト・アーキテクツでの数年間、アレクサンダーは、高等教育機関、病院、アパートメント、オフィスなど、さまざまな建築プロジェクトに、
携わってきました。彼の経験は、公共施設向けの大規模な公共プロジェクトと、民間企業向けの
プロジェクトの両方に及んでいます。アレクサンダーはその幅広い専門知識を生かし、
さまざまな建築活動の成功に貴重な貢献をしてきました。
現在、アレクサンダーは、dRofusのカスタマー・サクセス・マネージャーを務めています。
そのスキルと知識を活かし、スウェーデン市場において、顧客満足を確保し、
成功を導く役割を担っています。
ジェラルド・バルディバは、スペインのバルセロナ
出身の、エネルギッシュで多才なプロフェッショナルです。建築学に精通し、デザインへの揺るぎない情熱を持つジェラードは、その創造力と技術的な専門知識で、この分野で名を馳せています。
ジェラールが建築の世界に足を踏み入れるきっかけとなったのは、バルセロナの名門デザイン・工学大学 (University School of Design and Engineering of Barcelona)で建築の学位を取得してからです。
ジェラードがdRofusに入社したのは最近のことです。DACH 地域営業担当として、ジェラードは卓越した
営業センスと建築業界に関する幅広い知識を生かし、AEC/O 業界向けの dRofus の革新的な
ソリューションを推進しています。
現在の職務に就く前は、ドイツのミュンヘンに所在するNickl & Partner Architektenで、
BIMコーディネーターを務めていました。在職中は、ビルディング・インフォメーション・
モデリング(BIM)プロセスの調整に優れ、細部への細心の注意と複雑なプロジェクトを、
管理する能力を発揮しました。